ビーン

上手な人が鍼を打つと、体にビーンと響く感じがする。手技にも同様の感覚があって、分かりやすいのは手三里だろう。

指力でやると、相手は筋肉を固めて抵抗するので上手く行かない。ツボが閉じる。それで、呼吸を取ったり、あれこれと工夫をするのだが、要は力を抜けば良い。

しかし、この力を抜けという教えはよくされるのだが、これが曲者で、大概は抜いたつもりで抜けていないし、実際には、抜いただけでは効果もない。

自分が大声で話していると、人の小さな声は聴こえないのと一緒で、聴こうとするなら、黙る必要がある。力を抜けと言うのは、黙れという事だ。

手指から力が抜けると、脈や呼吸、筋肉の緊張弛緩などの体の声が聴こえる様になる。情報量が増える。それをどう利用するのかが、課題で面白味だ。

最近は、気の感覚だけで、鍼のビーンと響く様な感覚を再現出来ないだろうかと凝っている。体のなるべく奥へ作用させる様な嗜好があるのだけれど、この感覚に従うと、適度な深さが出て来る。頭部などは、こんなに浅層なのかという驚きもある今日この頃。

山田五郎『機械式時計大全』

この3週間ばかり、機械式時計の事を調べてばかりだった。不思議なのは、性能面からはクォーツ式を買った方が絶対に面倒がないのだ。機械式では、数年ごとのメンテナンスも要るし、磁力で時間も狂いやすい。技術的な制限を課された中で、敢えて製品開発をしていくというゲームだ。

調べるうちに、パワーリザーブの稼働時間や石数などのスペックにこだわりだしてしまって、そうなると決められない。性能とコストのバランスを考慮するなら、さっさとオメガでも買ってしまえば良いのだが、そこまで性能にこだわるのであれば、そもそもクォーツで良いのではないかと気がついてしまった。

スペックは足切の役には立つけれど、物事の選択の基準にはならない。アバタもエクボというか、対象への思い込み、思い入れで選ぶのではあるまいか。納得の出来る勘違いというか。

今回、未知のジャンルに没入してみて、何を求めているのかを問われる様な体験だった。ロジックを組み立てて、壊すのを繰り返すのが楽しい。自分の場合、ステータスシンボルとしての時計はどうでも良いし、性能もそこそこで良い。あんまり高価なものはアホらしいけれど、元々、メンテナンスをすれば一生使えるというロマンに惹かれて興味を持ったので、それなりの物を買おうと調べている。

最近は山田五郎の『機械式時計大全』を読みながら、勉強まで始めてしまった。定休日の今日は、銀座の三越に出掛けて、実機を眺めたり着けたりして遊んでいたのだが、BAUME&MERCIERに一目惚れした。というよりも、この体験を求めていた様な気がする。若い頃に比べて、自分の欲しい物を見つける能力が極端に落ちている。惰性で生きてはいけない、と思うのです。

そういえば、時計関係の動画をよく見たのだが、youtubeからお薦めされたアメリカ人のチャンネルを見たら、絵の造りがBSの番組みたいな完成度で驚いた。制作会社が入っているんじゃないだろうか。比べると、日本のyoutuberの番組はまだまだ素人っぽいのだが、これから制作会社がどんどん入って来るんじゃないだろうか。新規参入は難しい時代になるのかもしれない。番組では、ダライ・ラマがパテックフィリップで、ヨハネ・パウロ2世がこれみよがしに10ドルのカシオを愛用しているという紹介があって、意地の悪さがおもしろかった。

ところで、頭の中が歯車の事でいっぱいになっているので気がついた。工学的なメタファーに頼るのであれば、膝関節は、股関節と足首に動力を伝える歯車だ。運動で膝を傷めるケースでは、膝をヒンジみたいに使うから壊すのではないだろうか。

股関節

この半年くらいの間、股関節の調整に手の親指を使っている。とりあえず効くので、メカニズムがよく分からないまま行っていたのだが、最近、自分の左股関節がおかしくなった。

マニュアル的には、右股関節は肝、左は心の影響を怪しむ。親指を見たら、血圧のツボが分厚い。これは血圧の絡みで股関節に影響が出ているのだろうか。今日は休みなので、これを検証して過ごしたい。

ちまちまピースを埋めていく作業が好きだ。最近、おもしろいのはツボの組み合わせだ。一箇所では効果が出ないのに、二箇所を組み合わせると、急にお肌にハリが出るツボの組み合わせを見つけた。

色々試してみると、お肌のツヤとハリ、キメはそれぞれ調整法が異なる事も分かる。キメが課題だ。これは汗腺を閉じたら良いのだろうか。開く方は夏場によく使うのだが。

この陽気で春みたいだ。クシャミをする人をよく見掛けるが、冷えてというよりも花粉症様症状に見える。

例年だと、体は冬へ向けて緊張していくのだが、今は骨盤辺りの緊張が弛んで、やはり春の様な状態になっている。このまま急に冷え込むと、寒さに耐える為の体の準備が不足しているので、風邪が流行りそうだ。

先週は胃酸過多気味なのか胃の固い人が多かったけれど、食欲の秋にはこれが多い。胃の疲れが原因の首の痛みもよく見た。秋の症状なのは間違いないのだけど、体の雰囲気は春めいていて、なんだか体に季節感がない。

毎年、症状の予測がある程度つくのだが、今は読みにくい。そういえば、コロナについては冬次第と言われているのだが、自分は春次第ではないだろうかと考えている。理由は、コロナを消化器の負担と関連付けて見ているからで、そして、春は消化器に負担の掛かりやすい季節なのだ。

食い道楽

休みなので、吉池食堂に出掛けた。業者が買い付けに来る鮮魚店が、食堂を経営している。時鮭のポテトコロッケなんて初めて食べた。この店は新潟の酒の取り扱いが多い。天神囃子が旨かった。コクがある割に、白鷹などに比べるとフルーティだ。デザートに鮮魚店で生牡蠣を買って、そのまま広場のベンチで食べた。

流石に食べ過ぎなので、深夜に自分で調整している。胆嚢が張っている。胆に負担が掛かると、しばしば舌が分厚くなって、滑舌が悪くなる。本当にラリルレロが言いにくくなるのだ。もっと酷いと、水を苦く感じたりするのだが、それは高齢の方でしか見た事がない。

大分、お腹も柔らかくなって来たので、調整に飽きて文章を書いている。

そういえば、一昔前はリタリンの副作用で呂律が回らないというご相談を何人も受けたものだ。服薬を終えて2年くらい経っても、影響が残る人もいたものだけど、胆を調整したら改善はしやすかった。

最近は、心療内科の投薬方針が変わったのか、リタリンの話はすっかり聞かなくなった。代わりにデパスの話をよく耳にするのだが、随分、カジュアルに飲むもんだという印象がある。サプリじゃあるまいし、大丈夫なのかね。

犬の施術

犬の施術だった。3年目にして、自分から膝に乗って来たので感動した。これまでは嫌がるのをなだめすかして施術していた。鼠蹊ヘルニアだったが、ヘルニア部を押さえたまま、腹部の固い部位を押さえるとヘルニアが引っ込んでいく。

人間のお腹でも、負担の掛かっている場位は固くて圧痛がある。それを取ると、お腹の調子が良くなる。

ただ、お腹がとにかく柔らかければ良いのかというと、そうではない。フニャフニャに柔らかくて力が抜けているという状態もある。状態としては、固いよりも更に良くない。多くの場合、神経性の内臓の疲れなので、頭部を調整すると力が入る様になる。

或いは、栄養失調でお腹の力が抜ける事もあるのだが、高齢出産に多いケースだ。授乳で栄養不足になる為で、栄養を取る事をお薦めする。豚肉が良いです。産後の抜け毛も減るので、これは割と評判が良い。

モスキート音

数ヶ月前に、エクセシオールコーヒーで朝食を食べていた。店内には他に客がいなかったので、イヤホンもしないで英語のアプリをやっていた。流石に、小声で発音していたのだが、何時もよりも得点が高い。そのうちに気がついたのだが、小さい音声の方が聴き取りもしやすい。

それで納得した。どうやら自分の耳は音量に対してのチューニングが合っていなかった。耳が力んでいるというのも妙な表現だが、そんな感じ。外に出たら、電車の踏切の音がやたらに大きく聴こえて新鮮だった。

仕事柄、手指が力まない様にするのは習慣だが、耳にも同様の感覚がある事には気がついていなかった。それから何か月か経つのだが、おもしろい事にモスキート音が聴こえる様になった。一年ほど前に、自由が丘のTSUTAYAの近所ではモスキート音が流されていると人から教えられたので、わざわざ確認しに行ったのだが、その時にはサッパリ聴こえなかったのだ。

耳は脊椎だと頸椎4番が司っている。ただ、そこを調整して、耳が良くなるという実感がイマイチないな。それよりは、耳の上の頭蓋を叩くと、聴力の状態が分かる。老人性難聴だと、そこを指先で叩くとボスボスと鈍い音がする。耳の左右差の大きいケースが多い。施術ではその音を参考にして、耳を調整していく。いや、そもそも、叩打音が聴こえないよという話もあるかもしれない。

耳年齢のチェック動画。テストの精度は知らないので、お遊びで。結果は、スピーカー環境に依存する様な気もする。

脳科学者は毛生え薬を使わない

薄毛を改善する為の施術を工夫している。

元々は自分の為に工夫した方法だ。5年ほど前に、怪しい時期があったのだが、これで回避した。ホルモン系を刺激する。男性の本式の薄毛には厳しいが、婦人科系の手術をした女性には評判が良い。術後に髪の毛が抜けやすくなるのだが、髪の状態を調べてみると、頭の左右で髪の状態が異なっていて、片側だけ細くなっている事がある。そちら側に栄養を運ぶと、髪が太くなる。

そんな話をしていたら、脳科学者には毛生え薬を使わない人が多いと教わった。何それおもしろいと詳細をお尋ねしたところ、首から上の神経幹細胞は共通なのだそうだ。独立採算ではなくて、連結決算。幹細胞の分裂回数は有限なので、髪の為の浪費は避けて、脳の為に幹細胞を節約するという趣旨らしい。例えば、緑内障の薬では睫毛が伸びるけれど、そんな事に幹細胞を消費しないで欲しいという事であった。ディテールがおもしろい。

それは置いても、一般的に薄毛になりやすいのは、洗い過ぎが要因なんじゃないだろうか。髪の脂も髪を保護する為に、ある程度は必要な物のはずだ。ホームレスには禿が少ないではないか。シャンプーを使うと脂を落とし過ぎるので、湯シャンをお薦めしたい。最初はシャンプーなしでは、髪がなかなか綺麗にならないのだが、半年くらい過ぎたら髪質が変わって、お湯だけでもちゃんと綺麗になる。そして、髪に必要な分の脂は残る。その半年を耐えられない方も多いのだが、コツはお湯の温度を44度くらいの熱めにしてみる事だ。ただ、お湯の適温には個人差が大きいかもしれない。

瞬き

夜の暴れん坊将軍が、出会い系サイトで知り合った女の子を連れて施術を受けに来てくれた。なんとその日が初対面だという。

初回のデートがウチというカオスな状況である。既におもしろいのだが、女の子が先に来て、将軍様が遅れてやって来た。その時点では、お二人の面識はない。玄関の開く音がすると、施術を先に受けていた女の子の瞬きがパチパチ増えるので、脚痩せがどうのこうのと話をしながら、吹き出しそうになっていた。

そのうちに、将軍様が待合室で仕事の電話を始めて、輸出がどうのこうのという話し声が聴こえる。すると、イタリア人とのハーフの綺麗な女性なのだが、長い睫毛でまた瞬きをパチパチパチパチと高速でするものだから、とうとう耐えられなくなって吹いてしまった。

施術後、お二人はフカヒレ料理屋へと去って行った。その背を見送りながら、なんとなく狐に化かされた様な気分で、自分も目をパチパチさせてしまった。実は、三者三様に同じ気持ちだったに違いない、というのがこの話の面白味である。

しかし、遊び人ならではの含蓄がある。将軍様からは何人もご紹介頂いたのだが、たまに土壇場でキャンセルになる事がある。それを将軍様に報告したら、お店の1位や2位の娘は約束を守るんだよなあと、呟くので感心したのだ。確かに、1位と2位の女性は来てくれたものである。

ところで、お酒を出すお店でも、トップを取る様な女性は胃がカチカチに固かったりする。気を使い過ぎるからだろう。ついでに、芸能界で働く方や秘書をされている方にも、胃が固いという共通点がある。気が利かないと仕事にならないのだろうが、仕事が出来るのも楽ではない。

勉強

ワクチン接種後の体調不良のご相談が多かった。

肝臓を押さえて薬品の分解を促進しておけば良いだろうという感想を持っていたのだが、数を見て、腰部活点を押さえておけば良いという結論が出つつある。頭痛などは割とすぐに取れる。

腰部活点は腰椎二番の指三本外側にあるツボだ。胃腸の働きを活発にするので、食欲不振の時に刺激する場所として指定されているのだが、自分の所見としては膵に刺激が行きやすいという感想を持ってもいる。押さえる角度にもよるかもしれないが。

もしかしたら、メーカーによって体への出方が違うのかもしれないが、それはまだ分からない。区別がつかない。いずれにせよ、薬品を投与した後の体をこれほど続けて見る機会もないので、なかなか良い勉強になっている。

案外、中毒の急処には出番がない。飲み過ぎで肝臓を腫らしていると、そこが痛んだりするのだが、そういうものでもないらしい。また、注射当日だとリンパ系が張るけれど、普段からリンパ系の働きの悪い体質だと、摂取から数日経ってもまだリンパの独特の張りが残っているみたいな事も観察出来る。一方、同じ注射でも、栄養点滴の類だとそれほどリンパには出ないで、肝臓だけが張るという事も言える。頭にはタバコ中毒の場所があって、タバコを吸い過ぎると頭蓋と皮下組織の間に脂状のものが溜まるのだが、これもまたカテゴリーが違うらしくて、出番がない。これはシックハウスにお悩みの方に使って良かった事がある。