精密作業

型は沢山習ったのだが、最近は忘れない程度にやって、稽古は木刀の素振りばかりしている。

素振りは奥が深くて、上達する程に力みや抜け気がつく。今は脇と腕の力み、首の力の抜けが気になっている。振り上げる度に、脇に隙が出来るのを感じて気持ち悪い。そこを突かれて終わりそう。

複雑な事を単純に、単純な事を複雑にしていくのが工夫なので、木刀を振るだけの事を凄く難しく考えている。動きを分析すると、肩甲骨の可動性が小さいので、他の部位で動きを処理して力んでいるのではないだろうか。

稽古事の全体像というのは、他ジャンルの経験からなんとなく想像が出来るので、このまま丁寧に精度を上げていけば上達しそうな期待がある。どのジャンルでも、発生する問題の構造は似ているからだ。手を抜いたら不味い部分は分かる。

ところで、先日、人の歯を施術したら、数ミリは離れていた上前歯中央2本の隙間が綺麗に埋まった。下の前歯4本が斜めなのも修正出来た。ただ、上の前歯が中央に寄る事で少し出っ歯気味に見える様になったから、これは次回の課題だ。鏡を見せたら喜んでいたけれど、素手でこれが出来るのは気持ち悪いでしょう?と水を向けたら、気持ち悪いですねというお返事があった。

しかし、これもローテクに見えるハイテクで、中身は相当に複雑な事をやっている。普通は出来ないし、思いつきもしない。精密作業過ぎて禿げそうなのだが、難度が高い問題をサラリと解決してみせるのが格好良いと考えている。考えているのだが、時間が掛かり過ぎるので通常の施術内で行うのは無理だ。サラリと出来ていないじゃない、という説もある。これが趣味だと、面倒な事でも進んでやるから不思議だ。

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