西江雅之『食べる』

当院のクライアントには文化人類学の関係者が多い。自分の属性というよりは、整体のコンテンツとしての属性だろう。

マサイ族がスマホを持つ様になった現代において、秘境へ非日常を探し求めるのも良いけれど、日常の中に非日常を見出す事でおもしろい体験を得やすいかもしれない。

そういえば、先日、文化人類学者の西江雅之氏の『食べる』を読んだ。氏の世界各地での飲食の回想と考察がまとめられている。

作中、食べ物と食べられる物は違う、というテーマが扱われる。例えば、インドへの災害支援で牛肉を送っても、確かに食べられるかもしれないけれど、ヒンドゥー教の信者にとって牛肉は食べ物ではない。そうした食文化を尊重しようという趣旨の上品な論調の本だ。

今夜は池袋の沸騰小吃城に出掛けた。所謂、ガチ中華の店である。小耳に挟んだところによると、四川省では麻婆豆腐はあまり食べられず、現地の人が好んで食べるのはザリガニなのだそうな。さて、日本人にとって、ザリガニは食べ物だろうか?それとも食べられる物だろうか?

ザリガニとキュウリの唐辛子煮込み。最初、ザリガニを丸齧りしてボリボリやっていたのだが、可食部が少ない。店員を呼び止めて食べ方をお尋ねしたら、外身は食べずに中身を啜ると教えられた。カニミソと同じだ。

ちなみに、今夜の前菜は火星カレーだった。ジビエを使ったカレーが名物。メニューにはラクダのカレーがある。自分はエゾシカのカレーを頼んだ。

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