『ガタカ』は印象的な映画だった。
遺伝子検査で職業が制限される近未来、主人公の青年は宇宙飛行士を目指すも検査で否認されてしまう。それで、下半身不随で車椅子生活になった別の青年に成りすまして、宇宙飛行士を目指すというのがストーリー。『太陽がいっぱい』の翻案だ。
さて、行動遺伝学の研究によると、子どもの学力の60%は遺伝で決まるそうである。例えば、小学校で成績が良くとも中学くらいで追い抜かれたりする場合があるけれど、学力は生来の知能に回帰してしまう事も多いそうな。これは番組ではなくて本の内容だったかもしれない。
出演者で行動遺伝学者の安藤寿康氏は、鉄は熱いうちに打てというけれど、人間は鉄というよりは形状記憶合金だと説く。
遺伝学には優生学の負の遺産があるので、安藤氏はかなり慎重な言葉選びをしている。番組よりも本を読む方が分かりやすい。
スポーツに才能があるのはみんな知っているのに、勉強については努力を決定的に捉えるのは間違っているのかもしれない。冷笑的な話ではなくて、とりあえずSAPIX入れとけみたいなのはかえって非合理かもしれない。
そういえば、生家は自分以外の家人は比較的に勉強が出来るタイプだった。自分だけ成績が悪かったのだが、それにコンプレックスを感じなかったのは良かったのか鈍かったのか。
勉強以外にも才能はあるし、向き不向き、色んな生き方がある訳である。例えば、整体師とか。フリーランスなので、サラリーマンとはまた違った苦労はあるけれど、自分は人の言う事はきけないタイプなので性に合う。
職業として検討すると、時計師には憧れるし、最近、キクナイフの動画を見たら興味深かった。国内で日本刀を造ると、法律で材料の縛りがあるから、海外で新素材を使用して造れたらおもしろいだろうな。興味の傾向から言って、人生をやり直したとしても似た様な結果になる事がたやすく想像出来る。確かに、形状記憶合金だわ。