『霊術家の饗宴』井村宏次

業界の基礎的な資料なので、勿論、読んでいるのだが、現物は持っていなかった。

同書には84年版と96年版があり、新版には追記事項がある。しかし、敢えて旧版を選んだ。装丁が凝っているからだ。

著者の生徒の方が来ていて、手製の講義録を貸してくださった事がある。それで、著者が装丁にこだわる事を知っている。

そういえば、2015年にスリランカで現地の霊術家を訪ねたら、本の内容そのままの世界なので笑ってしまった。タイムスリップをしたければ、国を渡れば良いのだ。

術者がキテハーと気合を打つと、参加者は倒れて運ばれる。普通の自発動功だ。

現地まで行って理解したのは、霊術の娯楽的側面である。また、社会の成熟度的に客がスレていない。プレスリーやビートルズのライブで気絶するのと本質的な違いは存在しないのではないだろうか。

だから、霊術は大正時代だから成立したジャンルだという事も分かる。

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