北島亭

悩める青年との間に、考えたら良いよ、歳を取ってからでは間に合わない事も多いから、というやり取りがあって、本当にそうだなあと感慨にふけった。

間に合わないというか、考えてもしょうがなくなる訳である。五十を過ぎて人生楽になったみたいな感想をしばしば耳にするけれど、考えなくとも良くなるからかもしれない。介護などの別の問題にシフトはするけれど、選択に悩む機会はもう少ない。

自分は20代の前半はよく考えたけれど、その後はあまり頭を使っていない。アホになっている。

当時、どの様な事を考えたのかというと、若い頃から妙なのだが、人の盛りについてよく考えていた。パフォーマンスを十分に発揮出来る年数のなんと短い事か。だから、まだ若いうちに開業すると決めた。

故高須基仁氏の本に、男性アスリートと女子アナウンサーがよくカップリングするけれど、彼ら彼女らは職業としての旬が短い事にシンパシーがあるのだと書いてあった事を思い出す。

若い子を見ていると、女の子にはそれを分かっている人が多いけれど、男の子はのんびりしているなあという印象がある。残り時間を意識すると、不安を予定で埋め立てるみたいな生活になるけれど、それくらいで良いよな。のんびりする理由が分からない。そんな余裕があるのかと。

例えば、どうでも良い話だが、早く北島亭へ行くべきだ。あの暴力の様なフルコースを味わい尽くす為には若い胃袋が要る。悲しいかな、中年になるともう完食出来ない。

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