トルコ料理

中東の食事は日本人には不評な傾向があるそうなのだが、トルコは例外的に旨いと言われる。

食べてみると、日本人に馴染みのある食材が馴染みのない調理法で出て来るという印象を持った。ナスなどはペーストにされて出て来る。スパイスはあまり使わない。少なくともインド料理の様ではない。スパイスを潤沢に使う為には採取地としてのジャングルが必要なのだろう。ただ、唐辛子は多用される。

旅行中、現地の人が集う食堂に通った。朝はレンズ豆のスープが定番だ。レンズ豆をハーブティーで煮込んだスープで、レモンを搾って食べる。店によってはバターが落としてある。単品で頼んでパンを食べる人が多い。一番よく食べたので、トルコ料理といえばチョルバスだ。

チョルバス

よく食べられているパンは、見た目はフランスパンに似ているが、小麦粉の挽きが細かいのかサラとした食感でより食事パンらしい味わいだ。大概はスープを頼むと自動で食べ放題のパンが付いてくる。豊富な資源ほど安くなるので、日本では水が無料だけどトルコで無料の水を飲んだ事はない。その代わりにパンが安い。

国土が地中海、エーゲ海、黒海に面していて、栄えている都市は海沿いに立地している割に、意外なほど魚を食べる機会はなかった。もしかしたら、流通の問題かもしれない。日本でも40年ほど前までは内陸部では干物ばかり食べていたはずだ。ムール貝に米を入れて炊き込んだ料理は旨かった。

オリーブの実とチーズの種類は豊富だが、正直、どれも塩気が強過ぎて風味の違いを感じなかった。チーズも漬物みたいな位置付けなのではなかろうか。

伝統的なデザートには基本的にピスタチオが使われる。日本における餡子みたいな感覚ではないだろうか。果物は豊富だ。一番見かけたのはスイカ、葡萄、リンゴ。他には洋梨、プラム、桃。変わったところでは龍眼、酸っぱい謎の果物といったところか。

総じて、旨い。そして、驚くほど野菜を食べない。肉と豆と小麦が中心の食生活だ。結果的に肥満が社会問題になっていて、なんと国民の1割がダイエットの為に胃を縮小する手術を受けるそうだ。若年性の糖尿病も多くて、知り合った女の子も罹患して、自分で栄養学を学んで治したそうである。

ただ、地中海性気候で暑いので、あの食事を摂らないと体力が保たないのかもしれない。その点、日本もここまで暑くなると、従来の食生活では体調が整わない面も出て来ているかもしれない。具体的には、塩分不足になりやすいのではないだろうか。水だけを摂っても水分代謝が上手く行かない。また、カロリーも要るだろう。もう少し東南アジアぽい食事というか、辛さで無理やり食べる様な工夫も必要かもしれない。

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