触覚

自分は目と耳があまり良くない。視力と聴力の話ではなくて、感覚器官としての精度が低い。見ている様で見えていないし、聴いている様で聴いていない。だから、絵は描けないし、音痴だ。まあ、最近、耳は少し改善したかな。

整体とは関係なく、昔から触覚は敏感なので、例えば、絵よりは彫刻みたいなものをさせたほうがまだマシだ。学校の美術程度の経験だけど。

武術も距離感がダメで、早々に視覚的な処理は諦めた。苦肉の策で、視覚を触覚的に処理している。錯覚なんだろうけれど、見る事に触る様な感覚が出るのね。人の動きはそれで掴んでいる。

先日、気がついたのだけど、この触る感覚があると人が動きに付いて来る。横に動いたら、それを追って付いて来る。紐で繋がっている様なもので、こちらも相手の動きが分かるのだが、同時に、相手にもバレやすいという欠点がある。

触るというのは必ず触られるという事でもある。手で人の肩に触れたら、手は肩に触られる訳である。双方向なのだ。一方的に見る事はあるけれど、一方的に触るという行為は成立しない。

攻撃や避ける瞬間には、触覚的な接続を切った方が良いな。繋ぐ訓練ばかりしていたけれど、切る事も技術だと分かったので、少し感動している。

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