古代エジプトに人工頭蓋変形の習慣はないから、ツタンカーメンの長頭は近親交配由来の遺伝性の疾患か、他の疾患が想定されていますよと詳しい方に教えられた。しまった。
文章の文脈が通じなくなるので、適当な王様を探したのだが見つからない。マヤやインカはどうだろうかと探したのだが、頭蓋変形の習慣はあっても人名まではハッキリしない。有名でないと文頭に置く意味もない。困ったので、そのまま捨ておこう。
調べるうちに、インカ帝国では治療の為の穿頭手術が行われていて、成功率も高かったという記事を読んだ。当時の南米文明には鉄器が存在しない。戦闘では鈍器が使用される機会が多かったので、頭蓋の怪我が多発した。それに対応する為の医療技術が発達したという、また妙な雑学を覚えてしまった。
文化的な環境は特定の技術を育む。手技にも現代的な観点からは理解し難い技術がある。例えば、麻酔法と呼ばれる手技では顎関節の境目を強打する。元は鹿児島だったかの療術らしいけれど、その起源は華岡青洲以前だろう。これを使うと、確かに痛みを感じにくくなる。麻酔のない環境下で、骨折の整復前に使ったりしていたのではないかとも想像する。
流石に、手法が乱暴過ぎるから施術で麻酔法を使った事はない。しかし、今の自分なら別に強打しなくともフェザータッチで効果を再現出来そうな気がする。面白がって練習したら上手くいったのだが、ちょっと気持ち悪いな。皮膚を抓っても痛みをあまり感じない。体の感覚を敏感にするのが仕事の本分なのに、鈍くしてどうするのか。ブロック注射的な用途を考えたのだが、デッドストックかもしれない。例えば、アトピーの痒みを抑えるのに使えたりはしないだろうか。持続性を調べていないから、机上の空論だけど。