数年来、銀製の煙管とZIPPOを愛用している。銀は硫化するので、定期的に磨くのが習慣になっている。最初はシルバーポリッシュを使っていたのだが、布がすぐにダメになるので、今はヤマハのトランペットを磨く為の塗布材を使っている。この手の作業が性に合うらしくて、磨いていると非常に気持ちが和む。

他にも磨く物が欲しくなったので、銀製品を検索したら、銀のインゴットが出て来た。待て、これは違う。カラスじゃないんだから、光物なら何でも良い訳ではない。少し考えて、銀無垢の腕時計を検索したら、オリエント社から発売されていたロイヤルオリエントが出て来た。それで、興味を持って調べ出したら、時計沼にハマってしまった次第だ。この1ヵ月間は時計の事ばかり調べていた。

沼としては広さよりも、深さに好感を持っている。例えば、車好きでもランボルギーニを買うのは大変だろう。しかし、時計だと、俗に言う雲上3大ブランドでも、馬鹿になれば、時計に何百万も出すのはホントに馬鹿だが、手に入る値段だ。

価格毎にヒエラルキー構造があるのも、また良い。雑誌を読むと、三大ブランドの話題が多いので、最初は文脈が掴めなかったのだが、パリコレみたいなものなのね。三大ブランドの新作を解釈して、各ブランドも新作を発表している。その中で、予算に応じて、自分の趣味を深めていく事が出来る。パテックフィリップの『ノーチラス』の輝きには目が眩むけれど、モーリスラクロアの『アイコン』も素敵じゃないか。同じラグスポには違いない。

時計の店舗は銀座に集中しているので、都心へ出掛ける動機が出来たのも良い。近年はどこのターミナル駅でも同じ物が買えるので、もう都心へ出る理由もなくなっていた。昨日も銀座で各ブランドを見物して来た。無料の美術館状態。

しばらく沼に浸かるのも悪くはないだろう。時計を買ったところなのに、『アイコン 39㎜』が欲しくなり出している。危険な兆候なのだが、最近は欲しい物も特になくなっていたので、自分に強烈な欲望が残っていた事に意外と安心もしてもいる。

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