タクシー

上海のタクシー料金は3キロまでは16元。340円ほどである。安いので、地下鉄を利用しないでタクシーばかり乗っていた。

配車アプリのDiDiで呼ぶのだが、実に便利。GOと比べると仕組みは少し異なり、オーダーというよりはマッチングアプリに近い。最初の設定で乗車地と降車地を指定するので、相手に断られる事もある様だ。

それで、マッチングが上手くいかなくて、流しのタクシーを拾う事があったのだが、これが実に酷かった。1人目は目的地を間違えてキレるご婦人で、2人目はメーターを倒さずに料金を会社からネコババしようとする男性である。現金がないと伝えるとやはりキレ散らかしていた。電子決済で記録が残ると困る訳である。次の3人目で判断しようと、懲りずに流しのタクシーを拾ったら、今度はボッタクリ請求をして来るので失笑した。降りたところが丁度、教会の前だったもので、神も仏もないものだとまた笑った。

人の性、悪なりという気分だった。中国の信用スコアは監視社会の象徴として感じられるけれど、これは必要悪でしょう。例えば、配車サービスには評価がつくので、タクシードライバーはそれを気にして丁寧なのだ。首に輪を掛けられた狼さながらである。まあ、信用スコアについては、日本もメルカリ等では実質そうなっているが。

そんな事を考えていたのだが、その後にイベントがあった。外灘で大雨に降られた。バーで雨宿りをしながらタクシーを呼ぶ算段をしていたのだが、配車アプリがフリーズして困っていた。流石に流しのタクシーは懲りた。

それで、隣のヴィトンのバッグを持っているお姉さんにアプリの操作を尋ねたら、雨だからタクシーは掴まらないわよとのコメント。続けて、私はプライベートの配車サービスと契約しているから、ホテルまで送ってあげるとのお言葉を頂いた。しばらく待っていたら、高級車が迎えに来た。天井はガラス張りである。どうやらあちらのセレブだったらしい。そのままお言葉に甘えて送って頂いた。なんというか、奥深い国だ。

ところで、上海では英語はほとんど通じない。ホテルのカウンターでも通じない事が多いので、翻訳アプリが活躍した。しかし、あちらの人のコミュニケーションは不思議で、自分が中国語を喋れない事を伝えても、全く気にしないで中国語で話し掛け続けて来るという傾向がある。

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