近年、教育についての統計資料のアーカイブが出来つつあるそうである。
つまり、子どもの進路の追跡調査を一定期間、それなりの母数で行った事で、結論が出つつあるとの事である。
例えば、高校卒業時の学力が同一の2人がいたとする。Aは第一志望の大学に受かり、Bはそこには合格出来なかった。20年後の収入にどのくらいの差が出るだろうか?
答えは、ほとんど変わらないとの事である。収入は本来の能力に回帰してしまうらしい。採用時に企業から足切りに合わない程度の学歴は前提かもしれないが。
幼稚園、保育園については、クラス毎の差が大きいので、園の評判の良さをそのまま評価するのは困難らしい。
本の内容的にはスポーツをやったり、リーダー経験を持つ方が収入を上げる為には有利だとか、穏当な事例が紹介されている。
タイトルは学力の経済学だけど、新自由主義的な内容ではない。気持ちよく読めた。価値観を説いている訳ではなくて、データを紹介しているからだろう。
37万部売れているだけの事はある。子育て本は数あれど、現代の親御さんの一般的な疑問に対して回答を出している様な本だ。