武術の稽古をしていて、よく先を取ると言うけれど、昔は気配に対して何か超能力的な働きがあるのかと勘違いをしていた。
しかし、要は相対性だ。自分の突きが早くなったり速くなったりすると、相手の動きは不思議と遅く感じられる様になる。
同様に、突きの重さが増すと、これまた不思議な事に相手の突きは軽く感じられる様になる。腹筋なぞろくにしないのに、食らっても平気になる。
先を取るなら、特に初動の早さが大切で、人の動き出しに敏感になる。相手が自分よりも早ければ、それは無理だ。
そんな訳で木刀を早く振る練習ばかりしている。自分の運動能力は悲惨なレベルなのだけど、それで、若くて動きの速い人と練習をしても意外となんとかなっている。
情報処理の問題で、発信出来ないものは受信出来ない訳である。転じて、一昔前は語学も聞き流しが流行っていたけれど、シャドーウィングの方が重要だと考えている。話せたら聞こえるでしょうという理屈。逆ではない。
