美大生ごっこ

evam evaというブランドが好きだ。デザイナーの近藤さんは、ご両親の倒産しかけの会社をご夫妻で再建された傑物だ。

自由が丘に店舗があって、時々、立ち寄っていたのだが、今春に閉店してしまった。

山梨で生産されているブランドで、とにかく生地が良い。着心地が素晴らしいのだ。メンズの商品点数が少ないのは玉に瑕。

正直、ファッションブランドとしては、デザイン性に欠けるとの評価だった。モノトーンの商品が中心なので、ミニマリズムに見えてもいた。やたらに生地の品質の高い無印良品というか。

しかし、山梨本店を訪ねて認識を改めた。建物を見て驚いたのだ。デザイナーの美意識が細部にまで反映されている。

時計でもエッジを立てると高級感が際立つけれど、線にすごく厳しい。便所までそうなので笑ってしまった。

建物を見て、表現したい事は分かった。evam ava の服にも、確かに線の美しさがある。また、洋服を日本人に合う様に昇華しているのも見事だ。

でも、同時に、山梨でこそ一番映える服だという気もするな。ビル街だと視界に直線が多い。自然の中でこそ線の美しさが際立つのではあるまいか。

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