堅めの畳に投げられて肌を擦ると、痛いというよりも熱いと感じる。同様に、刃物で怪我をすると、直後は熱く感じて、しばらくして痛みを感じる。
先日、刀で軽く指を切った。アーチッチアッチだった。郷ひろみである。
血で服が汚れたら嫌だなと考えて、気合を打った。掌がボウッと熱くなって、血と痛みが止まった。おもしろい。
そのまま練習を続けた。木刀を振っていて、関節の構造に改めて気がついた。
木刀を真っ直ぐに振ろうとするとリーチが短くなる。関節の構造上、腕が真っ直ぐに動いている様に見えても、その動きの中心は各関節の回転運動だ。
木刀の振り方に妙な癖がついていて、わざわざ肩関節の回転を妨げる様な振り方をしていた。両手で棒を持って真っ直ぐに降ろすと、自然、肩は詰まる。それでリーチが短くなっていた。
刃にほんの少しでも角度をつけて振る方がやりやすい。肩の可動域が活きる。たまに刃先が相手に届かない事があるので謎だったけれど、これで解決した。
脳梗塞や肩関節のリハビリでも同様の現象が観察されて、腕を直線的に使う傾向が見受けられる。特に腕の挙上には肘の回転運動が必須なのだが、それを欠いたまま腕を挙げ様とするのでままならない訳である。
人のふり見て我が振り直せなのだが、気がつくのに時間が掛かった。ぼんやりし過ぎである。