イスタンブールのスーフィズム教団を訪ねた。ナクシュバンディー派のモスクである。修行の様子と観光化されていないセマーを見てみたかった。
毎週木曜に集会があるというので訪ねたのが一昨夜の話。100人以上はいる参加者はみんな白い帽子を被っている。外国人の姿は皆無である。これは部外者が参加しても大丈夫な集まりなのだろうか。
トルコ人のオジサンが珍しがって世話を焼いてくれた。アッティラさんという電気関係の技術者だ。日本にも仕事で来た事があるそうだ。
ここに座って見ていろとソファに案内してくれた。コーランの合唱が始まり、荘厳な雰囲気である。初めて聴いたが音楽的で美しい。途中、導師が何事かの指導を行っていたが、独唱が見事だった。
合唱を30分くらい続けると、体をユラユラ揺らす人が増えて来た。トランスに入って自発動が出ている。この辺りはやはりどこも一緒だな。
みんな立ち上がって、床に額を付ける事を繰り返し始めた。アッティラさんからは君もそこに立てとの事である。え?見学だけのつもりだったのだが、自分もやるの?
見様見真似で、まず両掌を脇の下に入れる。次に膝頭を掌で押さえてしゃがむ。そのまま床に額をつける。それを繰り返す。気がついたら、ムスリムになっていたという。
礼拝後、ご飯を勧めて頂いたのでご相伴に預かったのだが、どうやら周りに座っているのは教団の偉い人達らしい。尻の座りが悪い。メニューは豆スープ、ピラフ、キョフテ、サクランボのコンポートを頂いた。旨かったのだが、喉を通らない感じだった。
アッティラさんは本当に面倒見が良くて、車でホテルまで送ってくれた。車では彼のお嬢さんと合流した。ヒジャブを被った綺麗な人で、名前の発音が難しくて覚えられなかったけれど、父に愛される娘という意味の名前らしい。親子で技術者らしいから、インテリのご家庭なのだろう。
車中、神道はアニミズムだみたいな話をしたら、お嬢さんからはその自然を創った方を信仰するのが私たちの宗教だとの答えがあった。
異文化体験として実におもしろかった。