そのうちに、急に飽きて見向きもしなくなりそうな気もするのだが、まだ時計の事で頭がいっぱいである。昨日も中野のジャックロードへ見物に出掛けた。
ジャガールクルトのマスターが良い。三大ブランドにムーブメントを提供して来た歴史があるので、複雑機構に対応する為なのか、部品点数が多い。石数にして30を越える。しかし、これは秒針すらなくて、時針と分針しかない。その部品点数の無駄さが実に良い。デザイン的にも、高級時計は普段着から浮きやすいというか、攻撃的になりやすいが、この地味さと来たらどうだろうか。好感しかない。次に狙うのはこれにしよう。
見たかった物は見終えたので、そのまま中野の喫茶店で本を読んでいた。最近、手に入れた松原皓月の講義録である。パラパラと開いていたら、物質奴隷軍という単語が目に入って来た。そんな日本語は初めて目にしたけれど、なんだか申し訳ありませんという感じ。
昭和一桁代に活躍した霊術家だが、療術への過渡期の技術だろうか。田中守平の本などに比べると、手技上の指示が細かい。催眠術も多用するらしい。これが昭和50年代の療術の本になると、指示がいよいよ細かくなって来る。
時は流れて、現代のボディワークの本だと、130くらいのページ数で、10日で腰痛完治みたいな作りが多いのだが、進歩したのか退化したのか分かったもんじゃないという。何の話かというと、霊術〉療術〉ボディワーク/スピリチュアルの鬼子の系譜がある。ただ、今風のは薄味で好みではないな。濃過ぎるのも勘弁だけど。