キッチン南海

2018年に西部邁氏の入水自殺が話題になったのだが、自分が衝撃を受けたのは同年の石原伸司氏の入水自殺の方だ。

79歳にして強盗殺人の後の死だった。2000年代には繁華街の非行青少年の支援活動をしていて、メディアでは夜回り組長として持ち上げられていた。氏の処女作刊行記念のトークショーに行った事があるので、動向をなんとなく気にしていた。

死に方もそうだが、症状や病気はその人の表現ではある。

そう書いて連想したのが、昭和の著名人の死。団鬼六氏は前立腺癌でその色を失い、立川談志氏は喉頭癌で声を失い、明晰で知られた吉本隆明氏は曖昧になって亡くなっている。もっともその人たらしめていたものを失うのが死だろうか。

ところで、こちらは平成の著名人だが、最近、福田和也氏の記事を読んだら、すっかり枯れてしまっている様に感じて寂しくなった。20代の頃に愛読していたのだ。グルメで有名だったのに、体調を崩してからすっかり食べなくなったそうだ。そして、書かなくなった。そういえば、氏が通った神保町のキッチン南海も今月末で閉店だそうな。これも残念だ。7月から近所にのれん分けした店が開店するそうではあるのだが。

一方、一昨年に宮台真司氏のトークショーに出掛けたら、今の若い世代は自分達の世代と比べて、精子の数が半減しているという話をしているので大笑いした。そんなところでまでマウンティングするのかとおかしかったのだ。まあ、お元気だよね。

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