待つ技術

整体は待つ技術ではある。

例えば、梅雨時に体調が悪い人は多いのだが、大概は過ぎたら良くなる。逆に言うと、梅雨が苦手な体質だと、その間は何をしてもスッキリとは良くならない。梅雨時は除湿をして、腎に負担が掛かると腰痛が出やすいのでそれを補助しておいて、梅雨が過ぎるのを待つ。

背中を押さえる際にも、相手は自分の力で固めている。ただ、ずっと力んでいられる人はいないので、しばらく押さえ続けているとどこかで力は抜ける。それまで待って刺激を加えたら良い。その為、施術者には長い力が要る。強い力では途中で力尽きるので効かない。施術者は息の長さを呼吸法までやって訓練するのだが、一見、迂遠でも無意味ではない。

自分はせっかちな性質なので、体の各部位を忙しく調整する癖がなかなか抜けなかったのだが、最近は一箇所でジッと待つ事が出来る様になって来た。手技を工夫するのもおもしろいものだが、気の調整に戻って来た。

近頃、興味深かったのは、波よりも点として認識される様になったところ。波的に解釈すると、表面の硬直でつっかえて通らないのだが、わざわざ空間的な制約に捉われる必要もない。硬直は避けたら良い。手から出すものだという観念が強過ぎた。それで、二重スリット実験みたいだと悦に入っていたのだが、そもそも文脈が違うか。

投稿者: hamadakantaro

浜田貫太郎。浜田整体院長。著書に『臨床家のための整体操法入門』たにぐち書店。共著に『息覚』幻冬舎ルネッサンス。寄稿に『安心』マキノ出版。『手技療法』たにぐち書店。