動悸

80代の女性。施術所に入っての開口一番、動悸がするとのこと。

様子を見ると、顔がやや赤らみ、息が荒い。この方は昨年の秋にも動悸があり、その後もしばらくは体調が優れなかった。心配になる。

施術前、息を吸ってくださいとご案内をしたところ、あまり吸えないとのお返事。腋の下に手を入れると、肋骨越しに感じる肺の膨らみが小さい。

体全体のバランスを見ると、骨盤が開いて下垂している。要するに、お尻が落ちて背中が丸くなっているのだが、これは高齢者にはよく見られる姿勢だ。

そして、これが息苦しさに直結している。シンプルな話で、背中を丸くして息を吸ってみたら意味が分かる。肺が圧迫されて、途端に息が吸いにくくなるはずだ。

逆に、お尻を持ち上げる様にしてから背中を伸ばすと胸が拡がるので、息は吸いやすいはずだ。施術の狙いもそこになる。

そこで、施術ではまず背中の張りを取り除いた。ポイントは骨盤の調整だ。お尻の位置を上げておくと、土台から背中を支えてくれるので、保ちが良くなる。

術後、息を吸ってくださいとご案内をしたところ、今度は息が吸えるとの事だった。動悸も落ち着いたそうで、施術者としては一安心。

投稿者: hamadakantaro

浜田貫太郎。浜田整体院長。著書に『臨床家のための整体操法入門』たにぐち書店。共著に『息覚』幻冬舎ルネッサンス。寄稿に『安心』マキノ出版。『手技療法』たにぐち書店。