下手の横好き

空手を習い始めた頃に、よく2人で練習をしていた。相手の先輩はかなり強い男性で、小指が自分の薬指くらいの太さがある。丁寧に教えて頂いて感謝するばかりなのだが、突かれてムチウチになったり、蹴られて転がったりと肉体的には散々だった。

攻撃されるのが恐いものだから、爪先立ちになって腰が引ける。これは逆効果で、かえって弱くなる。

対策を考えて、腰を落とした姿勢を取る様になった。後に、腰を落とすのと重心を落とすのとでは似て非なるものだと分かったので、重心を落とす事を工夫したのだが、未だに腰を落とす癖が抜け切らない。フットワークが悪くなるので、動きがもっさりとしている。動きの繋ぎも悪くて隙が多い。

いまいち改善しないまま時間が過ぎてしまったのだが、最近、腕の上げ方が要因だと気がついた。普通に腕を上げると重心が浮くので、それを予防する為に腰の位置を低くしてバランスを取っていた様だ。

改善策として、腕を上げる時に足裏に腕の重さを落とす様にすると、腰を下げなくとも重心を落とせるではないか。型の動きとしてはセイエンチンだろうか。体幹と上肢の分離が出来たというか、動きの窮屈さが減った。どうしてこんなに不器用な事をしていたのだろうか。残念ながら、格闘のセンスには乏しい。要するに、センスがあるというのは自然と出来るという事で、考えないと出来ないというのはかなり向いていない訳である。

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