現代人である我々には、誰しもモリッツグロスマンの針の美しさに思いを馳せた瞬間があるはずだ。日本橋の三越でガラスに張り付いて10分ほど舐める様に見ていたら、背後には店員さんが張り付いていたという。
同様に、きっとクーサンクーの屈伸突きが上手くいかなくて、眠れなくなった夜もあるだろう。自分も足の力が手に伝わらない事に一年程悩んでいたので、よく分かる。
先週、練習していて、下っ腹の使い方が分かっていない事に気がついた。背中側へ巻く様にして使うのね。すると、上半身と下半身の接続が良くなるので、足を変にしゃくり上げなくても力が上体へ自然と伝わりやすい。
このお腹の動きは、急勾配の坂を登る時の使い方と似ている。昔、カラテマスターから、構えているうちから相手に向かって走っておけと教わったけれど、表現としては、坂の上にいる相手に向かって走る様に構えると良いのかもしれない。いずれにせよ、初動がワンテンポ早くなる。