ビーン

上手な人が鍼を打つと、体にビーンと響く感じがする。手技にも同様の感覚があって、分かりやすいのは手三里だろう。

指力でやると、相手は筋肉を固めて抵抗するので上手く行かない。ツボが閉じる。それで、呼吸を取ったり、あれこれと工夫をするのだが、要は力を抜けば良い。

しかし、この力を抜けという教えはよくされるのだが、これが曲者で、大概は抜いたつもりで抜けていないし、実際には、抜いただけでは効果もない。

自分が大声で話していると、人の小さな声は聴こえないのと一緒で、聴こうとするなら、黙る必要がある。力を抜けと言うのは、黙れという事だ。

手指から力が抜けると、脈や呼吸、筋肉の緊張弛緩などの体の声が聴こえる様になる。情報量が増える。それをどう利用するのかが、課題で面白味だ。

最近は、気の感覚だけで、鍼のビーンと響く様な感覚を再現出来ないだろうかと凝っている。体のなるべく奥へ作用させる様な嗜好があるのだけれど、この感覚に従うと、適度な深さが出て来る。頭部などは、こんなに浅層なのかという驚きもある今日この頃。

稽古

昨夜は武術の稽古に出掛けた。

色々試してみたのだが、突きがなかなか当たらない。人の目はシルエットに敏感だ。だから、体を開くフックはバレやすい。体のシルエット内で処理出来る様に、練習したい。ポイントは肘の締めだろう。これが身につくと、体の真ん中から手が伸びやすい。バレにくい。

剣術でこれをやるのは、獲物が長いので難度が高そうだ。素振りから見直したい。香取の型も棒対棒に進んだが、覚えたらと思ったら、また次の型が出て来るので、やたらにボリューミー。正直、自信があるのは棒術くらいまでで、薙刀も両刀も悲惨なレベルだ。動きがブツブツ切れるので、繋げる様に練習したい。小太刀は性に合う様に感じられる。

移動では、地面を蹴って体が浮きやすいので、後屈立ちでチマチマと間合を詰める事を練習していたら、それは良かった様だ。あまりみっともない事にはならずに済んだ。昔は避けるのに必死で、前のめりの爪先立ちになっていたものだ。反動で動く為、初動が遅くなるので、かえって余裕が無くなる。よく先を取ると言うのだが、相手の気配を捉えていても、自分の初動が遅くて対応出来ない事が多い。昔、相手に向かって走るつもりで構えろと教わって、当時はサッパリ意味不明だったけれど、今はその意図が分かる。

10年ぶりくらいにスニーカーを買った。最近の製品は靴の前の方を少し上げるのが流行りらしい。指先が上がるので、足が出やすくなるとの説明があった。

アディダスもナイキも幅が細くて、足指が窮屈に感じられた。この数年、ビルケンシュトック のギルフォードしか履かないのだが、先が丸くて楽なのだ。近い物を求めて、ニューバランスを買った。

ところで、姿勢について尋ねられる事があるのだが、これが困るのだ。そんなに簡単ではないからだ。教えたところで、すぐには身につかない。背中を伸ばす様にご案内をしようものなら、反り腰になって痛めるといった具合である。

それよりは、道具に頼ったら良い。ウチで売りつけたりはしないから。

靴は体に合った物を用意すれば良いし、高性能の椅子を買ったら良い。腰痛になりやすい人は、ベルトを少しキツめに巻くのがお薦め。腹圧が掛かって、体が安定しやすい。衣服も体の一部なのだ。

手技

手技を練習しても、実際の施術ではあまり使わない。どちらかというと、軽く触れるくらいで処理していく。

むしろ、手技は訓練として重要だ。手技の訓練を経ると、その触れる感覚が変質するので、同じ軽く触れるにしても中身は別物になる。

学習の最初期に軽く触れるだけで、人の体を調整する事を学ぶのだが、そのままでは意外と使えない。正確には、身内には効くけれど、他人には効きにくい。緊張するしされるし、ガードされやすいからだ。たまに人柄が良くて、人を警戒させないタイプもいるのだけど、自分にはそんな能力はないので、技術的に訓練していくしかなかった。

仕事にして年数が経てば経つほど、臨床では手技は使えないという感想を持ちつつある。ただ、訓練過程としては必須で、自分も行うべきだろう。臨床を繰り返すと対応力は着くけれど、意外と質的な上達はしにくい。

冬の体

冬の寒暖差が激しくて、暖かい日も続く為なのか、体の冬への適応の遅い人が多かった。

それが10日ほど前に、急に体が締まるので面白かった。冷え込んだせいだ。

具体的な話で、両肩甲骨がキュッと中央に寄って、後頭骨と骨盤も閉まる。それで、冬の寒さに耐える訳だ。反対に、南国の人はリラックスが上手で、筋肉の柔らかい傾向があるけれど、それだと寒さには耐えられない。これは骨格における季節への適応。

内臓的には、相変わらず、胃の悪い人が多い。人間も哺乳類なので、寒くなると胃酸を出して、沢山食べて体に栄養を蓄え様とする。

それで、胃酸過多になるので胃が荒れる。そして、胃が疲れると、胃と繋がっている首や肩の筋肉の部位が張る。そのせいで、寝違えが多かった。体を冷やすと、胃酸が出過ぎるので注意が要る。

体の季節への適応を敏感にする為には、活元運動をやるのが一番良い。

積立NISA

昨年は時計という金の掛かる趣味を持ってしまったので、重い腰を上げて、資産防衛を図る事にした。世界的にはインフレ誘導なので、貯金しておくだけだと資産は減ってしまう。そして、時計は高騰しているのだ。

具体的には、積立NISAに限度額入れて、バンガードを買うという固めの布陣である。これでインフレ分を相殺して欲しい。限度額を越える分は、”上場インデックスファンド世界株式(MSCI ACWI)除く日本”を買っておけば良いだろう。これは橘玲氏の受け売りである。個別銘柄はリスキー過ぎるし、無駄な事を考えたくはない。後は、塩漬けだ。

そんな訳で、資金的にも体力的にも、長期間、戦える様に急ピッチで体制を整えている。その一環として、今年から、祝日を休みにした。10年以上、週一休みでやって来たのだが、流石に過労だ。

一昨年くらいに体にガタが来た。今はもう回復しているのだが、このままだとこの仕事にありがちな早死にコース入りだと判断した。別に長生きする気もないのだが、体が利かないと施術にならない。

休みは調整の為に、柔軟体操をしている。久しぶりにやると、固くなりやすい場所がよく分かる。体型にもよるのだろうが、自分の場合、体操としては、開脚、掌を後ろで組んで上げる、猫のポーズとその変化、それらの3つの動きを重視している。

BLOG

空手をやっていると、自分の突きの威力が強くなると、別に腹筋をした訳でもないのに、人に突かれても軽く感じる様になる。同様に、自分の突きが速くなると、人の突きを遅く感じ出す。

この現象は、人間の認知の仕組みから起こるのであって、つまり、発信出来る事は受信も出来るんじゃないのか、というのが自分の疑問である。

だから、例えば、英語学習では聴き流しブームがあったけれど、むしろ、話せたら聴こえるんじゃないだろうか?という関心がある。

じゃあ、書けたら読めるんじゃないの?という訳で、英語のブログを始めた。難しい文章はまだまだ書けないので、かえって素直に書けるのが楽しいかもしれない。何時迄続くのかは分からないけれど。

ブラッスリーほっぺ

注文した時計が届いた。実機が期待以上に良かったので、これで終の時計かもしれない。少なくとも、ドレスウォッチはもう要らない。

趣味は何百万か使ってみないと分からないところがあるので、これでお仕舞いにするのは残念な気もする。目配りはしておこう。

早速、鹿島田の五十君商店でオーバーホールに出して来た。戻って来るのが楽しみだ。時計はオーバーホール代が掛かるので、もう増やさない、はずだ。

鹿島田駅には初めて降りたが、住みやすそうな街だ。川崎駅からも近いので、喧騒と下町感のバランスが好ましい。ブラッスリーほっぺで夕食を食べた。

そのまま矢向まで歩いて、志らくの湯といういつものルーティーン。

デザイン

施術所を移転して1ヶ月くらい経った頃だろうか。玄関前でゴソゴソと音がする。何だろうと玄関を開けてみたら、クライアントのデザイナーの方がいて、表札がダサいから変えておいたわよとの事であった。

その表札は湿気でタワんでしまっているのだが、今も使っている。自分で用意した表札は、比べると確かにダサいのだ。そのくらい物事の形には無頓着だった。

一時が万事で、何年か前に、空手の稽古に出掛けたら、入門3年くらいの後輩と自分の2人が見本に出されて、型を打つ様に指示をされた。先生曰く、素人が見たら、後輩の方が上手く見えるはずだとのコメント。ただ、形は悪いが、重心が落ちているのは自分の方だと拾って頂いたものである。それで、そんなに酷いのかと反省して、形を気にする様になった。

しかし、形と言えば時計だ。近頃、暇な時間はずっと時計のサイトを見ている。今まで物の造形など碌に気にした事がなかったので、これが新鮮な体験なのだ。今まで見えなかったものが、急に見える様になったので、モノクロがカラーになった様なショックがある。大袈裟なんだけど、この歳になると生活圏で過ごす限り、大体の事柄はルーティーンなので、純粋体験なのだ。

先日、落札したオリエントスターロイヤルの初期型で、ギョーシェ彫が美しい。ヤフオクで見つけて買おうか迷った。しかし、妹と付き合いたいのに姉と付き合おうとするのはどうなんだと、頭のおかしい喩えで自分を納得させて見送った。すると、オークション終了後の2日後に目当ての商品が出て来た。

時計はスモセコが、最も文字盤のデザインバランスが問われると感じている。

オリエントスターロイヤル

ロンジンはどうだ?と尋ねられて、時計に必要なものが全て備わっていると返したら、笑われた。時計に興味を持って数ヶ月なのに、なんでそんなに偉そうなんだと笑われたのだが、通常進行ではないか。

時計に必要なのは、物語、技術、美観ではあるまいか。では、当時、経営危機に陥ったオリエント社に足りなかったのは何だったのだろうか。

昨夜はヤフオクで、オリエントスターロイヤルを落札したのだ。高額ではないが、マニアが欲しがる製品で、数人で競り合って脂汗をかいた。

オリエントスターロイヤルはエプソンに吸収される前のオリエント社の高級ラインで、やたらに高性能だ。残念ながら廃盤になっている。実機は未確認だが、今のオリエントスターよりも仕上がりが良いのではないか。筐体は銀無垢製である。それがなんと、価格は十万円を切っている。中古にしても安過ぎる。

良くも悪くも、日本のモノづくりの象徴の様な製品だ。海外ブランドで同品質を求めたら、かなりの高額になるだろう。