判断力

これは難しいだろうというご高齢の方の膝のご相談があったのだが、 最近、 良くなって来た。

施術をしても良くなるかは分からないとご本人に伝えて、それでも毎週いらしていたのだが、三ヶ月くらい経ったら良くなって来た。腫れ上がっていた膝のサイズが小さくなったので、正直、驚いた。

それで、反省した。これまで無理ですとお断りして来た案件の中にも、見積もりの甘い事例が多かったかもしれない。

自分の話だが、施術者が若くて健康だと、それを基準に考えるので判断ミスをしやすい。相手の体を基準に見積もりを立てるのが大前提。過去の失敗として、高齢者を前にすると、これだけやって結果が出ないのだから無理だろうという諦めが早かった。

というよりも、正直になるなら、結果の出ないまま施術を続ける期間が気まずいから、見切りが早かったのではあるまいか。しかし、相手に属するものを自分に引き受けるのはとんだ自意識過剰というものであって、まともな判断の訓練が要る。自他の問題を混同してどうする。

そもそもが、自分の能力を過大評価しているのかもしれない。以前にも、難病の方に対して、良くなって来たから通院の間隔を空けますかと話を向けたところ、その方は色んな代替療法を受けて来ているので、自信のある人はみんなそんな事を言うけれど、私は自分の体が良くない事を知っているので、同じペースで通いますというお返事があった。あれから数年経ったが、蓋を開けてみたら彼女の方が正しかった。

投稿者: hamadakantaro

浜田貫太郎。浜田整体院長。著書に『臨床家のための整体操法入門』たにぐち書店。共著に『息覚』幻冬舎ルネッサンス。寄稿に『安心』マキノ出版。『手技療法』たにぐち書店。