近頃、自分が若い頃から見ていた人達があちらでパタリ、こちらでパタリとダウンが続いている。若い頃、仕事が長く続いたら経験するだろうとは予想していた。しかし、自分まで70代くらいになった様に錯覚するのは予想外だった。俺も年貢の納め時か、という気分である。
人生を回想してしまう。もしこうしていたらと過去をシュミレーションしてみるのだが、益体もない。そういえば、レストランで食べているうちに、同じ料理を前回にも注文した事に気がついたりするけれど、何事もその人らしい選択をしてしまうものだ。同じ人間が過去に戻っても、どうせ同じ事を繰り返してしまうに違いない。20歳若くて別人だったら良かったのに、という。
そんな事を考えていたら、ケン・グリムウッドの『リプレイ』を思い出した。アメリカ人のニュースディレクターの男性が43歳で亡くなって、目が覚めたら、ハイティーンの頃に戻っていた。タイムスリップではないのだ。意識だけが過去に戻るのはタイムリープと言う。それで、人生をやり直すというストーリー。今ではよくあるモチーフの走りですね。自分が読んだのはハイティーンの頃なので、歳を取る事の意味が分かるはずもなかった。
さて、現在。あったかもしれない選択の可能性に苦しむのは30代じゃないのかという気がする。40代はこれが自分の人生だと受け入れる年代ではないだろうか。それに失敗すると、ネトウヨになったり、陰謀論にかぶれたり、タイムリープしてみたり、自分の人生とは関係ないはずの大きな物語にうっかり接続してしまうのではないか。自分は悪くない、世の中がおかしいとの理屈。そして、50代の答え合わせがやって来る。
