チェンマイの目当は地元の療術家だ。先祖代々、伝統療法を伝えている一族の現当主で、80歳近い男性だ。チェンマイに着いて連絡をしたところ、今日は寺にいるからそちらに来てくれとの事である。タクシーで指定された寺に着いてみると、なにやらお祭りの様子。後で聞いたら、水乞いの儀式だった。
着いて早々に施術が始まった。その先生は伝統的な手技の一通りを修めているそうなのだが、一番得意なのはトークセンだそうである。木槌で叩く手技である。丁度良く、左足が腫れているので、施術をどの様に進めるのか興味深かった。
まず手相を見せる様に指示をされた。何が分かるのかを尋ねたら、企業秘密との事である。他の施術を受ける人の手相も見ていたので、様式らしい。次に、手で筋肉の状態を見ていた。ツボの取り方は万国共通で馴染みあるものだ。筋肉の奥の硬直や弛緩を見つける。なぜ腫れたのかのヒアリングは多かった。
トークセンの刺激は強い。木槌で打たれると体の奥まで響く。リラックスという風ではないね。それなりに痛い。日本でも古い療術はそうだ。背中と足を中心に施術は続いた。頚椎の脇まで打つのには驚いたが、不安を感じるものではなかった。熟練を感じさせる技だ。腹に触りながら、食事は何時食べたのかを尋ねられたので、本当は腹にも行うのかもしれない。施術を終えてみると、肩の詰まりが高いレベルで取れていた。足はまだ腫れているが、足裏のアーチが出ていた。次は2日後に施術を受ける事になった。
