小宇宙

最早、整体師のブログ、改め時計愛好家のブログと化している。自分の好きなジャンルは、どこか似ている。機械式時計の場合、その在り方は格闘技にも似ているかもしれない。一定のルールがあり、それを支持するファンがいる。性能で言ったら、クォーツの方が絶対に良いのだが、それは格闘技の試合に銃火器を持ち込む様な野暮である。完成された小宇宙が、そこにはある。整体業界だと、クォーツに相当するのは何だろ?ステロイドとか?

さて、時計がオーバーホールから戻って来た。素材はシルバー925だが、表面はパラジウムメッキで加工されているので、無意味な贅沢である。精度が思ったよりも出た。日差+5秒くらいだろうか。

防水性能については、残念ながら、非防水となった。仕様上は3気圧防水なのだが、調べたら、その程度だと焼け石に水らしいので、それを知って気が楽になった。水道の蛇口から水が出ていたとして、その直下はもう10気圧らしい。

構造を知ると、たとえダイバーズウォッチであったとしても、ムーブメントの錆防止の為に、どのみち水と汗には気をつけなけれならない道具で、それが出来ないのなら初めからクォーツを使えば良いのだ。そして、クォーツも最初の電池交換以降はケースに歪みが出るのか、パッキンを替えたところで、かなり防水性能は下がるらしい。

そう腹を括ると、アンティークも購入の対象になる。どうせ全ての時計は、いずれはアンティークになるのだ。

しかし、本道を知らずんば、脇道を語るなかれと孔子先生も言ったとか、言わなかったとか。ロレックスの一つも持たないで時計は語れまいと、買いに出掛けた。そんな面倒な事を考えるタイプなのである。もう10店舗以上廻ったけれど、本当にどこにも売ってないね。2個だけダイアベゼルの製品が残っていて、店員が4人並んでいるという様な状況である。

品物が欲しいだけの立場からすると、コロナでだぶついた資金の流入先になっている現状はノイジーだし、便乗値上げを繰り返すメーカーは、今後20年くらいの長い目で見ると、ユーザーを減らしているのではないだろうか。富裕層相手のハイエンド推しも良いのだが、エントリーモデルを充実させないと、業界が地盤沈下しそうだ。

その点、シチズンはシリーズ8を展開し、セイコーはキングセイコーを復刻させているので、流石である。国内メーカーは寡占市場だから、価格帯を広くする必要もあるのだろう。

ただ、海外メーカーについては、メジャーなブランド以外では、それほど高騰していないのも確かなのだ。実際には、日本の方が貧しくなっている。国内はデフレで賃金も下がっているので、相対的に時計が高く見えている。

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