地域密着型経営

飲食店でカニクリームパスタを食べ終えて、コーヒーを飲んでいたら、こんにちは、と声を掛けられた。見れば、理髪店を営まれているHさんである。

リーゼントも凛々しい竹内力似の兄貴で、地元のお祭りをまとめている。7、8年ほども前の第二藤ビラー時代のお客さんである。

随分、お久しぶりなのだが、話を伺うと、施術所の移転後に何回も探したけれど、移転先が見つからなかったとの事であった。

先生、秘めた何かを持ってるね。マッサージはその場で気持ちが良いだけだけど、先生の施術は3ヶ月くらいは効果が続くよ、ウチにチラシを置く?との有難いお言葉を頂戴した。

感謝をお伝えしたら、いやいや、話を盛ってないから、また絶対行くから、宗教でも何でも効けば良いから、と兄貴特有の包容力で、ウンウン分かってるよと何やら察した風である。

いやいやいや、ちょっと待ってくれよ、そんなんじゃないから、察さないでくださいという話なのだが、お顔を見たら実に良い笑顔である。私は貝になりたい。シジミで良い。

最期は、両手で包み込まれる様な握手をして、別れた。兄貴は爽やかで、相変わらず格好が良くて、不思議な敗北感が残った。

世界よ、これが本当の地域密着型経営だ。

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