レアケース

最近の癌検診で、癌の消失が確認された方がいた。一昨年にサイズが二分の一になり、昨年は二分の一のままだった。

この方の場合、外科的な処置も投薬も困難な条件があったので、プレーンな状態のままで見続ける事の出来た貴重なケースだった。

大概のケースでは、抗がん剤の後始末に追われて、癌どころではない。もう洗面器に吐きながら施術を受ける様な状態である。じゃあ、抗がん剤が良くないのか?いや、そんな主張もしていない。

前提として、病院、拝み屋さん、当院という順番でお越しになるケースが多い。その頃には癌も進行しているので、ステージ4の方を拝見する事ばかりだった。亡くなられる前日まで見た事もあるけれど、その時点では落ち着いて見る事もなかなか難しくなっている。

しかし、例えば、自分が癌になったとしたら、どうするだろうか?初期の癌だったとしたら?自分についてなら、死ぬ覚悟を決めればやれるだろう。やっちゃうかもしれない。しかし、他人にそれをお薦め出来るかというと、それはちょっと出来ませんね。

そういえば、医学的な処置を厭う女性がいらした事があって、その時が初対面だった。二回目に来た時にご主人が一緒にいらしたのだが、雰囲気が攻撃的だ。話を伺うと、どうやら手術を拒否する様に僕が入れ知恵をしているんじゃないかと邪推している様であった。それで、奥様とは前回が初対面なのでそんな訳はないでしょう、家庭の問題を私のところに持ち込まないでくださいと、お断りしてしまった事がある。現実逃避の対象にされても困る。

人の命が誰のものなのかというと、意外と本人だけのものではない、という話かもしれない。

タイトルとURLをコピーしました