陶芸体験

2週間ほど前に注文した器が届いた。近頃、焼き物への興味が出て来たのだ。色々見て、自分の好みも分かって来た。先日も益子へ焼き物を見に出掛けた。陶芸体験にも申し込んだのだが、2軒の店舗にそれぞれ申し込んだ。

1軒目は海外からのヒッピー風味の陶芸家志望が集まる店で、教えてくれたのもアイルランド人の27歳の青年だった。プロが使っている土をそのまま使わせてくれるのだが、ロクロを廻してみて、益子焼が分厚い理由が分かった。土に粘りが少ないので切れやすい。力加減を少しでも間違えると、酷く歪んでしまう。

2軒目の店では、入社5年目だという女性が教えてくれた。入社の経緯を伺うと、同店の陶芸体験をきっかけにして、脱サラして陶芸の道へ入ったそうだ。最初は笠間焼の工房に問い合わせたが、そちらでは美大、芸大出身者しか受けいれていなかったという話も伺った。この店は観光客向けに、陶芸体験で使用する土には笠間焼の土を混ぜるなどの調整を加えているそうだ。確かに、素人にも作りやすかった。

2つの店舗の傾向が異なるので、比較をするとおもしろかった。1軒目は玄人向けで、2軒目は素人向けだ。1軒目でロクロの難しさを知ったし、2軒目では楽しさを感じた。教えてくれた両者の作品も見てみたのだが、1軒目のアイルランド人男性は芸術志向が強いのに対して、2軒目の女性の作品は日用品という印象。同じ陶芸というジャンルでも、志向性と処世が異なる。

自分の仕事を徒然に参照すると、芸術家的な仕事には憧れるが、それを実現する為には資産家の実家が必要なのも確かな事だ。自分の為にする事に対して、他人が金を出してくれるのであればそれはもう立派な芸術家だろう。それとは逆に、今の自分は人の為に仕事をしている。そして、そうする様になってから、仕事に不自由をした事はない。

焼き物については、どうやら有田焼や薩摩焼などの完成されたものが好みらしい。初心者だから、崩したものを楽しむのは早いというだけかもしれないが。

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